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月の歌うたい

海のうた ~詩作のススメ~

詩を書く前に


まず最初に、詩を書くための準備について
一つの提案をしてみたいと思います。

「詩なんて書けないよ~」と言う人は、ほとんどの場合
「言葉が出てこない」というところで立ち止まってしまうらしい・・・
ということを耳にすることも多いです。

料理に喩えれば、食材に当たるのが「言葉」ということになりますが
食材がなければ調理が始まらないように
「言葉」がなければ詩は生まれません。
そこで、「言葉(材料)」をどうやって手に入れるのかという話になります。

詩の材料である「言葉」はどこにも売っていませんから
自分で調達しなければなりません。
(それも、自分の心の畑の作物や、心の森に生っている木の実を
そっと摘んでくるのです。)

詩を書くのが好きな人なら、「そんなの簡単だよ~」と言うかもしれません。
「言葉なんて、いくらでも出てくるよ~」と。
そういう人はそれでいいと思います。(どんどん書いちゃってください)

でも・・・
そんな人にも、そうでない人にも、一度試してもらいたい方法があります。

用意するのは、2枚の紙とペンだけ。

紙の大きさは、だいたいB5ぐらいで充分でしょう。
(メモ用紙程度で済む場合もありますし
人によっては、裏面も使うくらい広いスペースが必要な場合もあります。)

時間は10分~15分程度。

場所はどこでも構いません。
ただし、知り合いなど、会話可能な他者がそばにいないことが条件。

では、始めましょうか。




準備 その1・・・
連想ゲーム



一枚目の紙に、  と書く。

横書きなら左上に、縦書きするなら右上に書いてください。

 の文字の横(縦書きの場合下)に  を書き、 から連想した言葉を書く。
その連想した言葉の横に、また  を書き、次に連想した言葉を書く。
同じ要領で、次々と連想していく。
  
海と言えば、夏。
夏と言えば暑い。
暑いと言えば汗。
汗と言えば・・・・・の要領です。

  例: 海 → 夏 → 暑い → 汗 →
  
これを、一人で黙々と紙だけを見て
(周りの風景は見ないで)書き続けます。

注意するのは、一つの言葉からだけ連想すること。
(それより前の言葉に反応しないこと)
上の例で言うと、 から連想する言葉は
その前の 暑い や 夏 の影響を受けないようにするということです。

とにかく、その一文字だけに集中して連想してください。

「ちょっと、これ、普通の連想じゃないなあ」と思えるものでもOKです。
とんでもないものを連想する場合だってあります。
それも全部OK。
他人にはわからなくても(自分にしかわからない連想でも)かまいません。

ただし、一度使った言葉は使えません。

もう一つ言っておくと・・・
単語でなくてもいいのですが、あまり長いと次の連想が難しくなるので
せいぜい2~3文節までにします。

(名詞に限らず、動詞や形容詞なども使ってください。)


 〈文節の数え方〉 

 例:単語・・・[コップ]  [ガラス]  [大きい]  [走る]  [さわやか]  など
  2文節・・・[ガラスの / コップ]  [急いで / 走る]  など
  3文節・・・[大きな / ガラスの / コップ]  [小学校の / 校庭で / 遊ぶ]  など


では、もう一度連想ゲームの例を示します。

 〈連想ゲーム〉

 例: 海 → 夏 → 暑い → 汗 → ジュース
 → ガラスのコップ → キラキラ光る → 宝石 →・・・
 

こんな風に、次々と言葉の連想を続けていくうちに
ふと、自分の頭の中がシ~ンと静まり返ってきていることに気が付くと思います。
雑念が消えていくのですね。
詩を書こうと思っていたことさえ忘れていると思います。
まあ、そこまで連想を続けるわけです。

そうすると、どこかで「どうしてもこれ以上出てこない」
という言葉にぶち当たると思います。
そしたらそこで終了です。

たいていは、数分から10分程度でその状態になると思うのですが
中には、いつまででも書けてしまうという場合があります。
そんな場合は、頃合を見計らって
(10分以上もしていると飽きてきて逆に雑念がわいてくるので)
切り上げます。
スラスラと出てきた言葉より
少し立ち止まって考えた言葉に注目してください。
そこに丸印をつけておきます。

注;最初の言葉は「海」でなくても全然かまわないのですが
  このページのタイトルが「海のうた」なものですから
  「海」で始めたというだけのことです。
  ご自分の好きな言葉で始めてください。
  と言われても、最初の言葉を思いつくのに時間を取ったりするかもしれませんね。
  そんな時は、どうぞ「海」から始めてください。




準備 その2・・・・ 今いる場所で、五感を働かせる。



2枚目の紙を用意します。

まず、見えるものを書き留めていきましょう。

あなたの目の前に、何が見えるでしょうか?
首を回したりして(立ち上がってクルリと回ってみてもかまいません)
自分の目に映ったものを紙に書き留めていきます。
上を向こうが下を向こうが、振り返ろうが
自分の目の前が「前」だということを理解してください。

どんな順番でもいいのですが
できるだけ「目に飛び込んでくる感じ」をつかんでやってみてください。
堅苦しく考えて、「全てを書き取らなきゃいけない」と思わずに
その時の気分でチョイスすればいいと思います。

何をチョイスしたかというのが、また面白いところでもあります。

どんな書き方でもかまいません。
(箇条書きでも、書きなぐりでもOK・・笑)
とにかく、紙の上に言葉を並べればいいわけです。



次に、目を閉じて
耳に入ってくる音を拾い出して紙に書いてください。


(書くときは目を開けてくださいね。)

擬音語を使っても使わなくてもかまいません。
 
 例:チリンチリン と書いてもいいし、風鈴の音 と書いてもいい。  

これは、見えるものに比べると、かなり少ない数になりますから
じっくりと周囲の音を聞いて、できるだけたくさん音を見つけてください。
(音を見つけるって言い方はちょっと変ですが。笑)



最後に、目を開けても閉じてもいいので
皮膚に感じるものや、漂ってくる匂いなどを始め
体のどこか(内部でもいい)で
感じていることを書いてください。


 例:背中が痒い
   目が乾いている・・・など
   草いきれ  
   ご飯の炊ける匂い・・・など

「悲しい」「寂しい」「楽しい」などの、感情を直接表す言葉は避けます。
それより、もっと具体的に
「胸が熱い」とか「まぶたが重い」とか「腕が軽い」などのように
感覚を働かせて感じたことを書いてください。(感情ではなくね。)

以上で、材料の調達は終了です。




いざ、詩作へ



準備はできました。

ここからは、実際に詩を作っていくのですが
準備よりは時間がかかります。
また、紙も下書き用に数枚、清書用に1枚必要になります。
時間も10分や15分ではおそらく足りないでしょう。
(中には数分でひらめいて、一つの詩ができる場合もありますが。)
途中で日を改めたり
数日かけて完成にもっていくぐらいの気持ちで始めてもいいと思います。
焦らず、ゆっくりいきましょう。



さて、始めましょうか。


新たに紙を数枚用意してください。(1枚は清書用)

そして、準備の時に書いた2枚の紙の「言葉」たちを
じっくり眺めて
時系列をほぐしていきます。

準備1枚目の連想ゲームでは、言葉は連想した順に並んでいますし
見えたもの、聞こえたものなどを書いた2枚目も
見えた順、聞こえた順、感じた順に書いてあるはずです。

これを、「一つ一つの語句が、独立してバラバラに存在している」
というイメージを持ってください。
時間の流れをいったん断ち切って(止めて)しまうのです。
連続性をわざとはずし、
言葉が、時間の流れから自由になれるようにします。

客観的な連続性をはずすことで
主観的な連続性(自分軸)を立てていくのです。

そうすると、
関係ないはずの語句同士が、なにやらつながりを見せ始めたり
忘れていた昔のことを思い出したり・・・と
意外な展開が起きることがあります。


特に、連想ゲームで
最後に書いた言葉や、途中引っかかって次になかなか進めなかった言葉は
忘れていた(抑えていた)記憶を呼び起こす
「扉」や「鍵」の役目を果たすこともしばしばです。

(余談ですが、以前この方法である女性に詩を書いていただいたとき
連想ゲームで、最後の言葉が「家族」となり、その後何も言葉が思いつかなくなり
そのうち目に涙をため始めたと・・・いうことがありました。
後からの彼女の話では、それまで抑え込んでいた思いが
「家族」という言葉をきっかけに
噴き出るようにあふれ出してきたのだそうです。
辛いことも思い出したのですが、次第に落ち着いて
自らを癒やす結果となったのでした。)

だからと言って、むりやりに「心の秘密の扉」を
こじ開けようとはしないでくださいね。
扉がしまっているのは、それなりの大事な意味があってのこと。
扉の方から「開けてもいいよ」というサインが出るまでは
「そこに扉があるのだな」ぐらいの認識に留めておいたほうがいいと思います。


さて、準備のときに書いた言葉を
バラバラにはずして並べ替えたり
つないでみたり
他の言葉を補ったりして
いろいろとパズルのように遊んでみてください。

1枚目(連想ゲーム)は自分の心の中の風景で
2枚目(見たり聞いたり感じたこと)は、自分の外の風景です。
この二つの異なる風景は
実は「わたしの世界」という「一つの風景」の表と裏なのです。

心の「海」に潜って、捉えた風景と
目の前で捉えた風景が交錯する・・・
ちょうど、シンクロニシティーが起きるのと似たような現象かもしれません。

脈絡のないはずのところに意味のある一致が起きる・・・
シンクロニシティーは、ある外側ともう一つの外側を
裏でつなぐ、内側の力が働いていると言えるかもしれません。



何か思いついたなら、3枚目の紙に箇条書きで書いてみましょう。

たったこれだけでも
なにやら「詩」らしくなってくることと思います。

名詞ばかり書き連ねるのも面白いです。

書き出した言葉や文を、全て使うのではありません。
言葉が、一つの形として「詩」に表現されるためには
その言葉の背後に、もっともっとたくさんの言葉が必要なのです。
表には出ないけれど、たくさんの言葉が
その詩の背後に、みっしりと詰まっていたりするのです。
そんな背後の言葉を生み出す作業も大切かなあと思います。


気に入る、気に入らない、書き過ぎた・・・などは
あとでじっくり推敲(修正)すればよいので
書き出すときは、出てくるままに書きつけておきましょう。
きっとその方が
(心が油断して、格好つけないのでw)面白いものが書けると思います。

だいたい出揃ったら、形を整えていきます。
推敲もすんだら清書をします。

以上で、あなたの「詩」の出来上がり!


こんなふうに説明ばかりしていると
なんだか面倒くさそうな印象を与えてしまったかもしれません。
けれど、実際にやってみると、すごくシンプルなことなのです。
面倒くさそう(複雑そう)に見える部分は
無意識の方が担当してくれるので(笑)。

百聞は一見にしかず・・・と言います。
どうぞ、気負わず
トライしてみてください。





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